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舘野 春香; 佐藤 匠; 津幡 靖宏; 林 博和
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.224 - 235, 2020/03
被引用回数:6 パーセンタイル:54.98(Nuclear Science & Technology)階層型燃料サイクル概念に基づく、加速器駆動システムを用いた長寿命マイナーアクチノイド(MA)核変換技術の研究開発が行われている。MA核変換用燃料としては、窒化ジルコニウムを不活性母材とするMAとPuの窒化物固溶体が第一候補とされている。乾式再処理は、高い比放射能及び崩壊熱を有する使用済窒化物燃料から残留MAを回収する方法として適している。再処理プロセスの主工程である溶融塩電解精製により、使用済窒化物燃料が陽極溶解され、アクチノイドが液体カドミウム陰極に一括回収される。その際、MA回収率と回収MA中の不純物(希土類元素)濃度の目標値が達成できるように再処理プロセスを設計する必要がある。本研究では、プロセス設計において重要な知見を得るために、使用済窒化物燃料の乾式再処理における物質収支評価を行った。処理条件の変更による物質フロー及び発生廃棄物量への影響を調べた。
白井 理*; 山名 元*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Proceedings of Nuclear Fuel Cycle Technologies Closing the Fuel Cycle (CD-ROM), 7 Pages, 2003/00
窒化物燃料の乾式再処理に関する研究成果をレビューする。起電力測定で求めたUN, NpN及びPuNの塩化物溶融塩中での平衡電位は、各々の窒化物に関する熱力学的諸量からの評価値とほぼ一致した。また、UN, NpN, PuNを陽極として定電位差電解を行い、陰極にアクチノイドを回収することに成功した。講演では、今後の研究課題についても議論する予定である。
飯塚 政利*; 井上 正*; 岩井 孝; 白井 理; 荒井 康夫
電力中央研究所報告(T99078), 24 Pages, 2000/06
小型の液体Cd陰極(内径9mm)を用い、約2.3wt%のPuを含むLiCl-KCl中で電解試験を行い以下の結果を得た。(1)陰極電流密度が40mA/cm程度以下であれば、ほぼ100%の回収効率でPuをCd陰極中に回収することができた。これ以上の電流密度ではLiなどの還元及びセラミックス製部品との反応が起こり、Pu回収効率が低下した。(2)冷却後、陰極断面の金相観察及び元素定量分析により、析出したPuはPuCdの形態でCd陰極底部に蓄積していることを確認した。(3)少量含まれていたAmから発生する線を冷却後の陰極について測定したところ、陰極中のPuが飽和量に達すると同時に線量も一定となったことから、液体Cd陰極におけるAmの挙動は、PuCdの生成を考慮に入れつつ陰極表面におけるPuとAmの局所平衡モデルを適用することにより合理的に説明できることがわかった。
掛樋 勲; 戸澤 克弘; 松本 俊一; 田中 健哉; 吉氏 崇弘*
JNC TN9400 2000-053, 99 Pages, 2000/04
本研究は、従来のPurex再処理法-ペレット加工法と異なるシステム概念の乾式リサイクルシステム(乾式再処理-射出成型(金属燃料)、振動充填(酸化物燃料)加工法)における操業性評価に係るものである。乾式リサイクルシステムは、工程機器で処理した燃料(使用済み燃料、リサイクル燃料中間製品、リサイクル燃料製品)を固体の形で次の工程へ移送するバッチ処理システムである。このため、工程間の燃料移送はハンドリングロボットを用いて自動化された物流システムで行う。本研究では、米国アルゴンヌ国立研究所(ANL)の金属燃料プロセスを例に、乾式プロセスのロボットによる自動化操業システムについて、ロボットの必要機能、ロボットと工程機器の相互の操作性、動作・移送時間等の観点でシステム評価を行った。評価は、プロセス機器、機器動作、プロセス移送物及びハンドリングロボット機能の現実化したモデルをシミュレーションコードに組み込んで、ロボットによるプロセス操業をシミュレーションする、バーチャルエンジニアリング手法を適用して行い、ロボットによる乾式プロセス物流操作の現実性を示した。またプロセス設計、技術開発の進捗による、より実際的で、合理的な乾式システムの物流システム構築の課題を摘出して示した。
戸澤 克弘; 松本 俊一; 掛樋 勲
JNC TN9400 2000-052, 110 Pages, 2000/04
本研究は、従来のPurex再処理法と異なるシステム概念の乾式リサイクルシステム(乾式再処理)について、主要機器であるカソードプロセッサ(蒸留器)の蒸留挙動を模擬し、処理時間及び物質収支などを把握するための蒸留解析コード及び、プロセスセルの冷却挙動解析をパーソナルコンピュータ上で実施できるように解析モデルを作成したものである。これらは、乾式リサイクルシステム構築、評価のためのシステム解析ツール(設計ツール)開発の一環として行ったものである。カソードプロセッサ蒸留解析コードの作成にあたっては、検証計算としてベンチマークデータが公開されている2次元キャビティ内の自然対流問題のベンチマーク解と本解析コードでのパーソナルコンピュータ上での計算結果を比較した結果、よく一致することを確認した。次に、本解析コードの精度向上、作業効率向上を目的とした改良を行った上で、本解析コードを用いてカソードプロセッサを模擬した円筒状の密閉容器の体系にてCdの蒸留について蒸留解析を実施し、蒸留挙動がシミュレーションできることを確認した。乾式プロセスセルの冷却挙動解析モデルの作成に当たっては、ワークステーション上の詳細解析モデルとのベンチマーク解析からパーソナルコンピュータ上でも十分な精度でモデル化できることを確認した。定常解析によりセル内の流況と温度分布を確認した上で、非常時冷却過渡解析を行った結果、定常的にはヒートバランスがとれた条件であっても、初期の段階で過渡的な温度ピークが発生することがわかった。さらに過渡解析の最終的な定常値は非定常変動の部分的な循環流のでき方に左右され、現象自体の不安定さに影響される可能性があるため、セル空調系の設計にあたっては、冷却ガスのよどみ部に発熱に伴う循環流を起こさない設計とする必要があることがわかった。
湯本 鐐三*; 横内 洋二*; 小泉 益通*; 関 貞雄*
PNC TJ9409 96-002, 93 Pages, 1996/03
照射済MOX燃料の乾式分離、抽出に関する技術の開発状況を調査し、大洗工学センターで実施する場合の試験内容、試験装置、試験装置を設置するセルの構造及びセルの設置場所等について検討した。試験の目的はプロセスの成立性をはじめコールド試験では得られないFPやTRUの挙動を把握すること及びオフガス性状の挙動を確認することである。試験内容の検討にあたり、取扱う試料としてはもんじゅ燃料の燃焼度9万4千MWd/ton、550日冷却1バッチ、最大重量100gを想定した。試験は燃料ピンの切断、粉末化等の前処理を除く(1)酸化物燃料還元工程(2)電解精製工程(3)陰極回収物処理工程(4)TRU抽出工程の4工程をホット試験の重要課題として取り上げ、試験工程の概要、試験フロー図及び試験における課題等を明らかにした。試験装置としては、各工程毎の試験装置の概略仕様、構造等の検討を行い、その概要を示すとともに、処理後の生成物評価に必要な分析装置についてもその概要を検討した。また、使用された塩化物からTRU及び一部のFPは抽出回収され、電解精製工程等にリサイクルされる。残留FPを含む塩廃棄物はゼオライトに吸蔵し固化安定化された後、容器に封入して保管する。これらの試験を行うセルについては、既設FMF試験セル、AGFコンクリートセルの改造及びFMF地下2階倉庫、FMF増設第2補機室におけるセルを新設する場合のケースについて検討した。その結果、設置スペース、装置設置を含むセルの改造及び新設の工事の難易度、メンテナンスの方法、オフガス対応を含む換気(Ar雰囲気)設備及び試験装置の配置計画などからFMF増設第2補機室に新規に鉄セルを配置して試験を行うことが、工事上の安全確保も容易であり、放射性廃棄物の発生も少なく、最も安全に、また他の試験作業への影響を与えることなく、かつ効率的に試験操作を行うことが可能であることを明らかにした。
佐藤 匠; 林 博和
no journal, ,
放射性廃棄物中のマイナーアクチノイド(MA)を分離し、安定核種や短寿命核種に核変換する技術の開発では、MA核変換用燃料の処理技術の確立が重要な課題である。本研究では、MA核変換用窒化物燃料の乾式再処理プロセスの主工程である溶融塩電解精製において、窒化物燃料の陽極溶解に伴う陽極での窒素ガスの生成・蓄積と窒化物の粉末化に対応するための試験装置を開発し、模擬物質を用いた試験によりその有効性を確認した。
佐藤 匠; 林 博和; 中村 等*; 大森 孝*
no journal, ,
ADSを用いたマイナーアクチノイドの核変換のため、窒化物燃料と使用済窒化物燃料の乾式再処理を含む核燃料サイクルの研究開発を進めている。使用済窒化物燃料の乾式再処理プロセスにおいて、液体Cd中に回収されたアクチノイド元素は窒素ガス気流中でのMA-Pu-Cd合金の加熱により窒化物に再転換され、Cdは蒸留により窒化物から分離される。これまで10mg10g規模のアクチノイド-Cd合金を用いた基礎試験により、この工程の原理的成立性を確認してきた。しかし、工学機器の設計のためにはより大きな規模での試験データの取得が必要である。さらに、溶融塩電解精製工程において高い電流密度の条件では陽極でZrが溶解してCd陰極にアクチノイド元素とともに回収される可能性があるため、プロセスの詳細を検討するためにはCd中でのZrの再窒化挙動を理解する必要がある。本研究では、100g-Cd規模の再窒化試験装置を新たに開発し、DyをMA及びPuの模擬物質として用いた試験を行った。Dy-Cd合金及びZr-Cd合金はそれぞれ1073K及び973Kで窒化物に転換されることを明らかにした。
舘野 春香; 佐藤 匠; 津幡 靖宏; 林 博和
no journal, ,
原子力機構は、加速器駆動システムによるマイナーアクチノイド(MA)核変換にウランを含まない窒化物燃料を用い、溶融塩電解法による乾式再処理を行う核変換燃料サイクル技術の開発を行っている。使用済燃料を陽極溶解し、液体Cd陰極にアクチノイドを一括回収する溶融塩電解精製プロセスでは、回収物中に希土類元素(RE)が不純物として含まれるが、回収物を原料として製造する燃料中のREはMAに対して5wt%程度以下にする必要がある。本研究では、塩浴中のREを除去する塩再生工程を付加した溶融塩電解プロセスについて、回収MA中のRE不純物濃度及びアクチノイド回収率の目標値(5wt%及び99.9%)を満たすための塩再生工程の条件を検討するため、窒化物燃料の乾式再処理プロセスの物質収支評価を行った。
小藤 博英; 多田 康平; 北脇 慎一; 林 博和; 村上 毅*; 坂村 義治*
no journal, ,
金属電解法は最も実現性が有望視される乾式再処理技術であり、原子力機構では電力中央研究所との共同研究により開発を進めてきた。研究開発を通して技術の実現性が確認され、プロセス機器や施設の設計を進めた。当該技術は、放射性廃棄物の環境負荷低減が重視される将来の核燃料サイクル概念に適合することが期待されている。本報では金属電解法に関して、技術の概要、開発の経緯、研究開発現状と今後の展望等を簡潔に紹介する。
多田 康平; 小藤 博英; 村上 毅*
no journal, ,
既存の乾式再処理に比べて大幅に除染性能が向上した革新的なMA回収方法として、液体Ga電極を用いた手法を検討している。しかし、液体Ga中のU及びPuの飽和溶解度は、従来使用していた液体Cdと比較して低いため、U, Puの回収量を増加させると、液体Cdを使用した場合よりも少ない回収量から液体Ga中に固相が析出する。この固相析出が回収プロセスに与える影響を調査するため、液体Ga電極に飽和溶解度以上のU, Puを回収する試験を実施し、Ga電極をSEM/EDXで観察すると共に、元素分析結果からアクチニド/希土類分離性能を評価した。その結果、液体Ga電極表面に回収を阻害するような固体析出相の堆積等は観察されなかった。一方、電極内部にPu-Ga合金からなる1-10m程度の粒子状の相が観察され、相形成時のアクチニド/希土類の分離係数は、飽和溶解度未満におけるU及びPu回収時の分離係数と同程度であった。本結果から、液体Ga電極を用いて飽和溶解度以上の範囲でAnの回収量が増加しても、回収を阻害する形態の固体析出相は形成されず、An/Ln分離性能にも影響しないことが明らかとなった。
多田 康平; 小藤 博英; 村上 毅*
no journal, ,
既存の乾式再処理に比べて大幅に除染性能が向上した革新的なMA回収方法として、液体Ga電極を用いた手法を平成28年度から検討している。平成2830年度に実施した各試験において、液体Gaを用いた処理プロセスは、従来の液体Cdを用いた処理プロセスよりも優れたAn/RE分離性能を示し、有効性の高い処理プロセスであることを立証した。令和2年度では、液体Ga電極を利用した処理プロセスの有効性を実証するため、模擬使用済MOX燃料(RE, Am含有MOX)を出発物質として、電解還元による金属への転換試験、液体Ga電極へのU, Puの回収試験を連続して実施した。得られる試料のSEM/EDX分析や試験時の電位変化などから、ほぼ試料が還元されている可能性が高いことが明らかとなった。また、精製試験時の電位の挙動から液体Ga中へU及びPuが主に回収されていることを確認した。これらの結果から、液体Ga電極を利用した処理プロセスが有効であることが明らかとなった。